山に生き 山に死ぬ足尾銅山 鉱員社宅廃墟群

以前【足尾銅山】について、いくつかある代表的な廃墟を取り上げた。今回紹介するのは以前に取り上げていない、気になっていた社宅の廃墟である。ひとつの鉱山が廃山となると、それに付属するあらゆるものが廃墟になっていくものである。この社宅というものもそんな廃墟のひとつであり、かの有名な軍艦島の廃墟も、もともとは鉱員のための住宅だったのだ。
今回は鉱山住宅廃墟をメインに、再訪した足尾の廃墟と、
【大谷グランドホテル】をおまけとして取り上げていく。

この鉱山集落は足尾にある廃集落の一つに過ぎない。

集落のすべては平屋であり、二階建ての住宅はない。

廃集落の神社。かつて信仰の中心だったここの神様を不憫に思う。

内部。残留物はほとんど無い。

本当に静かだ。

階段と塀の石造りがいい味を出している。

まだ肌寒い冬の終わりの季節。

早咲きの桜。時は確実に循環する。

かつては軽快に走っていたのだろう。今は静かに眠る。

まるで
【ニッチツ鉱山廃墟群】のような光景。

もう配達することが無くなって久しい。

トイレ。共同なのだろう。

山奥にひっそりと存在する。

共同の水場。使う人がいなくなっても水は豊富に滴り落ちる。

共同の浴場。今は山で使う木型がおいてあった。

共同浴場からも水場からも、活気のある声は消えてしまった。

だが、声の面影は今もそこかしこに存在していた。
おまけ
クソ暑い夏へ冬の足尾から暑中お見舞い申し上げます!ということで、今回のおまけは冬の足尾の情景を紹介したいと思います。

寒々とした光景。足尾の山は鉱毒の景況で地肌が目立つ。中央は足尾の大煙突。

澄み切った空と白い雲。

サックサックと雪の進軍。

見えてくるのは本山精錬所と
【足尾廃線】だ。

レールの向こうは別世界。

トンネルを抜けるとそこには、

青い空と信号機。

二度と動くことはない。

ここは足尾の別区画。
【通洞動力所】と
【新梨子油力発電所】だ。

不思議な空と電線。

闇の世界と白の世界。

溶接工場。

セピアな世界。

死に行く世界と生まれる世界。

この廃墟は近いうちに取り壊しになってしまうらしい。

もう次にきたときにはこの廃墟は無いかもしれない。

廃墟とはこの世にひと時現れる幻想である。

幻想は幻想へ帰るのである。それは突然訪れる。
さらにおまけ
大谷グランドホテルを再訪した。そのときの写真を紹介したい。

壊れたドア。

風呂場へ続く部屋。この部屋の床は素敵である。このような彩色がこの廃墟を関東の麻耶観光ホテルと言わしめたのだろう。

素敵な窓枠。

風呂場へ突入。

丸窓の部屋。趣がある。

特徴的な蛇口。水が出ることは無い。

ぼろぼろの部屋。

二階の窓枠。かなりいい。

大部屋。ぼろぼろすぎる。もう少し早く来るべきだった。

だが、ぼろぼろでもいいところはある。廃墟探索とはそのようないいところを発見することが一つの楽しみなのだ。

厨房。

窓の外に赤さびた階段。

離れのような建物。扉は開けっ放しになっていた。

大き目のソファー。

小さな椅子。座る人はいない。

さぁ、そろそろ帰るとしよう。

幻想の世界から現実へ。
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僕は元気です。
- 2013/08/15(木) 09:46:15|
- 廃村
-
| トラックバック:0
-
| コメント:5
大谷グランドホテルは、今年行って来ましたが、変わりは無いようですね、しかしホテルとゆうには客が泊まれる部屋がほとんど無い建物ですね?
25日富士の現地で会いましょう!
- 2013/08/16(金) 23:17:21 |
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- yakumo #-
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