敵上陸浜橋頭堡粉砕!島防衛の夢かけら八丈島要塞 直射砲台

八丈島には有名な大阪トンネルというトンネルがある。そのすぐ横に異様な構造物がぽっかりと口を開けているのだが、それが今回紹介する通称直射砲台だ。

この砲は直射というだけあって米軍の上陸想定浜に砲台が向いている。米軍が上陸中、あるいは初期の橋頭堡を作っている間に、この砲台に設置されていた重砲で米軍の側面を狙い撃とうと考えたのだろう。
このような砲台跡と見られる跡は島の各所に存在している。

アーチ型に作られた砲室。この作りは本土のそれと変わりは無いように見える。

アーチ外側部分。かなりの厚みを持ったコンクリートの壁。米軍は上陸侵攻の際、戦艦からの支援射撃も行うので、築城はより頑丈にする必要があった。

この台座の上に砲が設置されていたのだろう。

砲室のすぐ脇にある入り口。

内部はコンクリートの小さな部屋。弾薬庫なのか、兵員の待避所なのかはわからない。奥に細い道が続いている。

この豪は湧き水があるらしく、床はだいぶ侵食されている。

砲室から奥に伸びる通路に進む。

広い通路から枝分かれした細い通路。ここに進む。

すぐに広い部屋。これは兵員の待機場所であろうと思う。

細い通路は奥に続いている。

さび付いた鉄杭が壁に突き刺さる。

非常に狭い通路。

通路は左に何回か枝別れしているが、崩落が激しく進めなかった。

土質が急にやわらかくなった。

この先はまだまだ続いているのだろうが、ここから水が流れ出しており、崩落も激しいので前進できず、来た道を引き返すことにした。

先ほどの広い通路の先。埋め戻しなどで封鎖されていた。この先は大阪トンネルの反対側の斜面に出るらしい。

砲室から道路を見る。

上陸想定浜方面を見る。白波が砕けては散りを繰り返していた。
この浜に米軍の大部隊が殺到してくることは、もうないだろう。
おまけ
上陸想定浜付近を散策中にトーチカらしきものを発見。

砲爆撃されたらひとたまりもなさそうだが、上陸想定浜を側射できるように作られているので、たぶん当時のものだろう。

内部の様子。

天井には空気の取り入れ口なのか、土管が突き刺さる。

今は穏やかな風が吹き抜ける海岸。

鉄の暴風が吹き荒れていた可能性もあったのだ。

事実と幻想は紙一重の場所で息を潜めているのである。

直射砲台の壕内図。縮尺や細部は適当です。
お詫びと訂正新年企画と称してよくわかる本土決戦を最後まで掲載する予定でしたが、時間が圧倒的に足りず、予定を変更して残りの二つの壕は後日改めて掲載しようと思っています。すいません。
次回からは、平常の廃墟物件を掲載する予定です。
にほんブログ村ランキング参加中。上のバナーを押していただくと大変うれしいです(^-^)
【掲載廃墟一覧】今までに掲載した廃墟の一覧へ飛べます
八丈島にはまだまだ行くよ!
- 2014/02/09(日) 09:33:14|
- 戦争遺跡・地下壕
-
| トラックバック:0
-
| コメント:4
非常に萌えさせてもらいました!
ちょっとネット上では資料が拾い難い島ですが、貴ブログを参考にがんばってきます。
とても2日では回れない島なので、再訪時期が合えば御一緒したいですね。
- 2014/02/09(日) 11:17:38 |
- URL |
- yakumo #-
- [ 編集 ]
yakumoさん
がんばってください!
この島にはぜひとももう一回行きたいので、再訪時はご一緒しましょう!
- 2014/02/09(日) 12:58:00 |
- URL |
- #-
- [ 編集 ]
そんなところにトーチカがあったんですね。
この島はまだ見つかってない遺構がたくさんありそうです。
民族資料館付近もなかなかのものでした。
コンクリートで塞がれた箇所も多数でしたが・・・
次回行かれるならお勧め?です。
- 2014/02/16(日) 16:11:11 |
- URL |
- yuuki #-
- [ 編集 ]
yuukiさん
民俗資料館の壕ですか?
興味がありますね!次に行くときは入りたいと思います
- 2014/02/16(日) 22:35:52 |
- URL |
- 東雲みょん #-
- [ 編集 ]