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廃墟を旅する 

産業遺産や戦争遺跡、時を超えた郷愁への旅路へ・・・

【廃病院】生き残りの医院

こんな廃病院は日本にいくつもあるんだろうな

生き残りの医院
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さて、日本にこのような廃病院はいくつ残されているだろうか?いかにも戦前からあるような木造の診療所。中身は見ないでもわかるような、待合室や古めかしい薬瓶置き場、素晴らしい手術室など、廃墟探索者を飽きさせない内容だろう。
しかしながら、昨今の廃墟に対する風当たりは非常に厳しい。戦前から今まで取り壊しの対象になっていなかったのに、今になって更地へと変わってしまう、そのような廃墟が多い。それも、最高級と思えるような廃墟ばかりだ。かつて最高と言われた廃墟、【小曲園】や【蛤診療所】も今は伝説となり、また、現在進行形で伝説になろうとしている廃墟が多いのだ。
こと廃病院は取り壊しの対象になりやすい。たいして歴史的な建造物でもないし、今まで取り壊しの対象になっていなかったのが不思議なくらいだ。だが、廃墟探索者としては、寂しい限りなのだ。

この廃墟もそんな廃病院の一つだ。



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今や絶滅危惧種に指定されたこの種の廃墟は、実は建造物的に見てもかなり重要なもののように思える。今まで見てきた廃墟と今ある歴史的価値のある保存建造物の差は、そんなに無い。あるとすれば、その場所が歴史を左右したかどうかだろう。
著名人が住んでいたわけでもなく、重要な会談があったわでもない廃墟など、多くの人の目からはボロボロの心霊スポットくらいにしか映らないのだろう。



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だが、歴史はどんな建物にも存在する。この廃墟にだって様々なドラマがあったはずだ。
今となってはわからないが。


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早速中に入ってみよう。


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控室と書かれた部屋


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診療券。これを手に診察を待つ誰かがいたのだろう。


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この廃墟で一番の美しい部屋へ。


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さぁ、廃の美術館へご招待します。


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この椅子が先生の椅子だったのだろうということは容易に想像できる。しかし、その先生が現在どうなってしまったのか、どうしてこの診療所を残していなくなってしまったのかは、想像してもわからないことだ。


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透明な瓶には当時の蒸留水が残る。いつまでもここにあり続けてほしい。


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奥の部屋に魅惑の空間がある。


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心霊を信じる人にとっては恐怖の現場だろう。これほど人の生き死にに関わる部屋もない。


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だがこれほど神秘的かつ科学的な空間もない。人がこの空間を見るときに感じる感情は、まさに千差万別だ。


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奥に続く廊下。


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煙草盆がある。


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闇と光の空間。


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自然光とはかくも明るく周りを照らすものなのだ。


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物が乱雑にまき散らされている部屋


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古いカレンダーだが、これがあるおかげで、この廃墟がいつまで現役だったかを知ることが出来るのだ。


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薬を受け渡すための小窓。趣がある。


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薬棚。


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何も映さない四角いボックス。


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古い診療所ではこの手の光景をよく見る。いい感じだ。


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時計の針が無い。この世界が、実はすべて幻想と我々の想像でしかないことを教えてくれているのだろうか?


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ガラスの割れたその先に。


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また割れたガラスがあるよ。その先は。


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記憶を残す機械も、いつかは記憶になっていく。


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診療券の裏側は遠い昔の言葉で溢れている。


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必要なものがこの世に残り続けることは必然。なら必然的に不必要なものは消えていくことになる。廃墟は一見すると不必要なものだ。


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奇跡的に現在まで残る各地の廃墟は、過酷な現実を乗り越えた『生き残り』たちだ。


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生き残っている者たちがいつまでもそこにいると思ってはいけない。次の瞬間にはいなくなっていても不思議ではないのだ。
いなくなってしまってからでは全てが遅すぎる。それは、人も廃墟も同じことだ。

この目で見て、この身で感じて、彼らの最後を記憶に焼き付ける旅を続けていこう。

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  1. 2017/05/05(金) 22:32:21|
  2. 廃病院
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:3
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コメント

更新ありがとうございます。
1963年のカレンダーですね。50年以上経過してるのに硝子瓶の中の水は蒸発しないんでしょうか?。
  1. 2017/05/12(金) 01:55:46 |
  2. URL |
  3. 結城有無之助 #-
  4. [ 編集 ]

なかなか保存状態が良いですね。
枠組みはしっかりしているので掃除したら再利用充分可能でしょうかね
  1. 2017/06/01(木) 00:42:56 |
  2. URL |
  3. #-
  4. [ 編集 ]

控室のスイッチだけ壊れたのか最末期(1960年前後と思われる)に角形の露出スイッチ(WS3001かWS3002かな?)に交換されていますね
  1. 2017/06/11(日) 00:02:04 |
  2. URL |
  3. #-
  4. [ 編集 ]

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