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廃墟を旅する 

産業遺産や戦争遺跡、時を超えた郷愁への旅路へ・・・

【不思議系廃墟】『華麗なる一族』への追憶

その廃墟は伝説で、幻で、記憶の中に存在する。

『華麗なる一族』への追憶
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 『華麗なる一族』がどうやら解体され、更地になったらしい。そのような情報が先日入った。情報は本当だった。この強烈な印象を与えてくれた廃墟は、私の追憶の中に今も存在している。

 その廃墟が一部の人間の間で爆発的な勢いで噂になり、そして廃墟界最大のミステリーとして語られるようになったのは、もう5年以上も前のことになるだろう。それは一つの廃墟サイトから始まった。謎めいた洋館が森の中にある。どうやらその廃墟に住んでいた住人は、とてつもなく位の高い、皇室にも繋がるのではないかというほどの人物らしいという情報。そして、この廃墟に当時皆が魅せられた最大の理由、場所が全く解らなかったのだ。

 いつしかこの廃墟に魅せられた人たちは、この廃墟をこう呼ぶようになった。

 『華麗なる一族』と。
 当時この廃墟に関する情報はほとんど無かった。森の中、別荘地、関東の何処か・・・。このような断片的な情報を頼りに関東中の別荘地を周り、週末になると軽井沢、箱根、伊豆、手当たり次第に探し回ったものだ。しかし、一年探しても見つからなかった。
 だが、事はある日突然回り始める。なんとこの廃墟を偶然見つけたという情報が入ってきたのだ。その場所は、箱根。過去何度となく通り探索した場所。見つかってしまえばあっけないものだ。すぐにその場所へ向かった。


 そして狭い道の先、森の小道の奥に、その廃墟を見つけたのだ。


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 鬱蒼と茂る木々が外界とこの場所を遮断する。ジメッとした森の中に木漏れ日が差し込んでいた。
 あぁ、紛れもないこれはあの廃墟だ。と感動したものである。



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 それは一見場違いな雰囲気の瀟洒な洋館である。


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 建造されたのは以前の【赤別荘】ほどではないが、だいぶ昔のように思えた。


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 しかも、なんちゃって洋館ではなく、しっかりと造りこまれた家に思えた。



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 実を言うとこの写真は最初に行ったときに撮った写真ではない。それから数年経って再訪した時の写真なのだ。なので再び訪れた際は驚いた。かなり崩壊が進行していたのだ。



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 これは先ほどの反対側。壁が二階まで崩落し、内部の物が散乱している。



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 先は長くないな。その時はこんな感想を抱いたが、それは自然崩壊を考えてのものだった。人為的に更地へ戻されることなど、この時はまだ欠片も考えてはいなかったのだ。


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 一度こうなると崩壊は早い。完全崩壊も時間の問題だったことだろう。


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 入り口の三角屋根がムーミンハウスのようで素敵だ。


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 入り口はこじんまりとしているが、しっかりとした石造りだ。


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 そして、簡易なチェアーが2つ。


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 柔らかな木漏れ日の下で本を読む。そんな当時の映像が脳裏をよぎる。


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 内部への扉は開いたままになっていた。


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 いったんその反対の外側から見ていく。


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 いい味を出しているテラスが現れる。


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 これまた今風でない窓と扉。


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 開け放たれた窓から内部を見る。床が落ち、めちゃくちゃになっているが、どうやら洋室のようだ。


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 暖炉がついてる家なんてそうそうないだろう。


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 真っ赤なソファーは変色し、黒くなっていた。


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 天井もイカそーめんのようになってしまっている。


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 再び玄関。読みかけのような本が哀愁を誘う。


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 では、内部へ。


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 当然だが、光があまり入ってこないので薄暗い。


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  正直崩落が激しすぎて探索出来る部屋は限られている。


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 一階はほとんど見られるものは無い。二階へ。


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 百人一首の札。住人の生活レベルが伺える。


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 上から見ると、各部屋は床が抜けていて、入れる状況でないのがよくわかる。


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 二階へ到着した。


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 外から見えた窓だ。


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 今朝明けましたよ。そう言われているような気がする。


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 さて、なぜこの廃墟が華麗なる一族といわれるようになったのか。それはこの部屋が原因なのだ。この部屋にあったあるものに、なんと皇室の御紋章である菊花紋章が着けれれており、内部からも繋がりを思わせるような品や情報が発見されたからなのだ。
 だが、本気になって調べた方々によれば、皇室との繋がりはないと結論が出されている。しかし、ここに住んでいた人達が、それなりの経済力を持っていたらしいということも判明している。
 ここでは詳しくは書かないが、気になる方は調べてみるといいだろう。


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 大きな窓があるが、部屋は一層薄暗い。不気味な雰囲気を出している。


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 物が散乱する部屋。最初に来た時よりも散らかっている。


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 窓にはどうゆう関係なのか不明な外国人の写真。


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 そして、肖像画。


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 この人物が誰なのかなど、この廃墟をミステリアスにしていった理由がお分かりになってきただろうか?


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 仏壇がある。


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 仏壇にはポッポちゃんの遺影が一つだけ残されていた。


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 この部屋からすべては始まり、そして終わろうとしていた。


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 別の部屋へ。


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 これは危険過ぎる。床も壁も無いも同然だ。


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 外から見えた角ばった場所だ。なんの部屋だったんだろうか。


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 二階から降りるとき、またあの窓が気になった。


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 開け放たれた窓。


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 この窓も永遠に開いたままではいられなかった。


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 この風景は、もう世界の何処にも存在しない。


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 かつて一台旋風を巻き起こし、多くの人の記憶に鮮明に刻まれた廃墟は、もう何処を探しても見つからない。


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 伝説と言われた華麗なる一族も、追憶の彼方へ行ってしまった。


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 その廃墟は今も、鬱蒼とした森の、木漏れ日の下で、皆の追憶の中に、存在している。

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コメント

おひさしぶりです。更新を楽しみにしていました。
こちらの廃墟、他ブログでかなり詳細に調べてますね。
今はすでに更地ですか。崩壊が進んで事故の恐れがあれば解体もやむを得ないかも知れません。
  1. 2017/10/17(火) 05:50:54 |
  2. URL |
  3. 結城有無之助 #-
  4. [ 編集 ]

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  1. 2019/03/02(土) 19:31:08 |
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