ここに移動してくる山奥の隠れ里
日窒鉱山廃墟群 上

埼玉は奥秩父の山の中。ここに鉱山集落廃墟群が存在する。鉱山の名称は日窒鉱山。この廃墟群はかつて鉱山夫やその家族たちが暮していた、社員のための居住区だ。
日窒鉱山は現在でも稼働中である。石灰石を採掘し、それを加工して運搬している。だが、日本の他の鉱山と同様斜陽であり、この廃墟群を見てもわかる通りである。
自分にとってこの廃墟は思いで深いものである。それは、高校生になり免許をとって、どこかの廃墟に一人でいきたいな、と思ったある日、出かけて行ったのがこの日窒廃墟群であったからだ。それは実質、「廃墟」との最初の出会いであった。それからは幾度となく足を運んだ。昼夜問わずである。なので、何がどこにあるのかはだいたい分かっている。ただ、診療所だけは行ったことがない。
この日窒鉱山廃墟群は広大であり、そのため写真の量も多くなった。なので、これから三回に分けて紹介していきたいと思う。
それでは、ご覧ください。

最初に足を運んだのは、一番集落の端にある作業場からであった。

中へ入ってみよう。

以外に何もない。ここは何をする場所だったのか、今ではよくわからない。

今にも倒壊しそうな感じだ。

思えばこの廃墟は最初発見できなかった。いつかは覚えていないが、何回目かの探訪の際に偶然発見したのだ。

一度訪れた廃墟でも、次に来てみると新たな発見がある。だから、また来たくなる。

廃墟の時間は動かない。だからゆっくりあたりを見渡してみよう。必ず新たな発見が出来るはずだ。

先ほどの廃墟を後にして、川の対岸にある孤立したアパートへ行ってみることにした。川を渡河しているときに、建物が集まっている場所を上から見ることができた。

ひっそりと佇むアパートが見えてきた。

季節はもう春を少し過ぎた初夏といった感じであった。しかし、なんだか冬のようにさびしい風景である。

用途不明の滑車とワイヤー。こういった構造物は非常に好きである。

先ほどのアパートはさしてみるものは無かった。なので、今度は先ほどのアパートの向かいにあるアパートへ行ってみる。

アパートは二階建てとなっている。長い年月放置されているためかなり傷んでいる。

誰もいないドアがひとりでに開いた。風のせいであろう。

中には数少ない生活の跡。酒の瓶が多い。

二階に移動した。木造の廊下が何ともいい感じだ。

反対側の階段は通行不能であった。

廊下に並べられていたカップとクリーム。実は並べたのは自分だ。だが、並べたのはだいぶ昔のことである。その間このカップとクリームは誰の手にも触れられないでここにあり続けたようだ。
そしてこれからもそう在り続けるだろう。この廃墟が崩壊するまで。

もと来た階段を下りて移動する。

当時の鉱山で使われたものだろうか。今は役目を終えて長い休憩に入っている。

本日三棟目のアパート。突き出したコンクリートは階段を止めるためのものだ。

下に見えるのは二棟目のアパート。

裏側の作りはこんな風になっている。裏から侵入する。

お邪魔します。

入ったところは階段ホールだった。

手抜きの感じがしない木造の手すり。コンクリートの壁とうまくマッチしている。

二階は部屋同士がつながっている。しかし、廊下が抜けそうなので探索できず。一回に戻る。

一階の別の階段ホール。階段は完全に腐っている。

というわけで、このアパートの探索も終了。お邪魔しました。

孤立したアパート群とさよならをし、今度は下の密集した廃墟群へ行ってみよう。
今回はここまで。次回は密集した廃墟群を紹介したい。
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- 2011/05/16(月) 08:08:43|
- 廃村
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| コメント:2
ここは廃墟群としては日本でもトップクラスに廃墟美が堪能できる場所であると思います。
場所は検索すればすぐに出てきますので、くれぐれも気をつけて探索してみてはいかがでしょうか?
- 2014/01/17(金) 22:21:31 |
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- 東雲みょん #-
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