驚愕の横須賀アンダーワールド2航空機掩蔽豪・二階層目の壕
これは
【夏島地下壕 倉庫壕・上部遺構群】からの続きです。

前回は上部施設を紹介して終了した。なので、今回は下りてくるついでに探索した二階層目の壕から紹介したい。
まずは入壕部である。ここは山の中腹辺りに当たる。

入壕。

この二階層目の壕の作りは、通路とその結束点の十字路からなっており、それぞれの通路には出入り口が存在している。

振り返り入壕部を見る。

さしあたり見るものは無く、何かがあるわけではないが、海軍壕によく見られる手抜きのない掘削がこの壕でもみられる。

この部分は少し不思議だ。通路と通路が少しずれて掘削されている。何かの意図があってこのようにずらしたのか、はたまた不注意でずれてしまったのかは分からない。

通路と壁。

正反対側の出口。こちらは山の反対側だが、現在は崖になっており出ることはできない。

十字路。

丸く掘削された通路。戦争末期だというのに手抜きは無いのだ。

それと、この壕の最大のいいところは、大ゲジ様がいないことだ。たぶん風通しがいいためであると思う。

では、そろそろ出るとしよう。

次は一階の航空機掩蔽豪である。
航空機掩蔽豪
山肌に巨大な掩蔽豪壕口が見える。現在は完全にコンクリートで封鎖されている。
この夏島地下壕に航空機掩蔽豪があるのは、ここを掘削したのが海軍航空技術廠だからであるのは以前話した。この周辺には別に、「野島地下壕」「貝山地下壕」という巨大地下壕があり、これらは空技廠の施設として連携されていたと思われる。

完全に封鎖されていると思いきや、入口は存在した。本当に小さな入口で、身をかがめて進む。

超巨大な空間が姿を現した。ここが航空機掩蔽豪である。

天井には特徴的な遺構がある。これは、三つの碍子を使うことができる設備であり、この夏島地下壕には多数見ることが出来るものである。かなり貴重だと思われる。

この写真から大きさを察することは難しいと思うが、おおむね幅10メートル以上、高さ3~4メートル以上の空間が続く。ここは戦後米軍の接収にあい、そのあと埋め戻されたようだ。現在壕のほとんどは埋め戻しのために高さが変わっている。本当なら5メートル以上の空間が続いているはずだ。

もはやあり得ないほどの巨大空間である。これがひっそりと今まで存在していたとは・・・

この航空機掩蔽豪は同等の二つの壕が並列に掘削された構造になっている。なので、この側面の通路が隣の壕への移動通路になっている。

戦後におかれたものだろうか、ポツンとトラックのおもちゃが一つだけあった。この時は特に気にもしていなかったが、後で恐怖の出来事が発生する。

では、通路に入る。

通路から先ほどの入り口を撮る。

ここが通路から出た先である。やはり巨大空間である。

通路を撮る。左の方に通路が見える。

側面に開いた穴。この巨大地下壕は二つの並列した壕からなっているが、それらに直結した小さな通路壕がこのように沢山存在する。

巨大地下壕の十字路付近に到達した。

カーブを描いている。

壕口にあたる部分は完全に封鎖されていた。
現在この巨大な壕には自分ひとりしかいない。この漆黒の空間で見えるのは懐中電灯に照らされたごく一部のみであり、この心理的恐怖はどんな心霊スポットでも味わうことはできないだろう。もし、懐中電灯がここで切れてしまったら、自分は間違いなくこの空間で遭難するだろう。

巨大壕口の側に小さな通路があった。

180度向きを変え、もと来た道を戻ることにした。

先ほどの結束通路まで戻ってきた。ここは水没しているため、壁際にある細い通路を通らなければならないのだ。

そして通路を通り最初の巨大壕に戻る。この後、想像もしていなかった出来事が起こる。

これは何であろうか。
お気づきであると思うが、一枚目の写真ではこのおもちゃは確かに普通に置かれていたはずだ。しかし、数分としない間に自分が戻ってくると元あった場所から明らかに違う場所にあり、しかも転覆している。この現象はいったい・・・
整理すると、この自分ひとりしかいない、動かす要因のない空間で、自分の見ていない間にこのおもちゃを動かす何かの要因が働いたことになる。可能性としては動物が動かすほかない。しかし、そのような動物がいればすぐに気付く。ましてや、人間がいたのであればなおさら気付いただろう。むしろ、自分の他に他人がいたほうが恐怖である。その者はこちらに挨拶もせず、この漆黒の巨大地下壕でいったい何をしていたというのか・・・。
この現象を理解しようとすればするほど戦慄度が増し、この巨大地下空間から一刻も早く出なければならないと感じた。

もはや自分にはこの地下壕が巨大戦慄迷宮に思えてきた。この直後自分は無事、壕から出ることが出来たが、あのおもちゃを動かした「誰か」は、じっと自分を見ていたのかも、しれない。

航空機掩蔽豪の壕内図です。縮尺などは適当です。
次回は、【クレーン壕】を紹介します。
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- 2011/06/21(火) 05:13:47|
- 戦争遺跡・地下壕
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| コメント:3
はじめまして!oryuuといいます。僕も地下壕が大大大好きです。ゲジは苦手ですけど。まぁ、確かに地下壕のゲジは巨大ですよね…。
夏島の地下壕は、広くて、埋め戻されている土から手が出てきそうで、けっこう怖いです。しかも、「オモチャがかってに動いた」でさらにゾクリ。
ということで、これからもよろしくお願いします。
- 2011/07/05(火) 18:27:25 |
- URL |
- oryuu #-
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oryuuさん
どうも、はじめましてです!
戦争遺跡はどれも大好きなジャンルなんですが、中でも地下壕は一番魅力的ですね。日常から完全に乖離した空間を提供してくれる場所でもあり、時代をさかのぼれる場所でもあります。
だが、多足性生物だけは慣れません。奴らさえいなければ快適な地下壕探索が出来るんですがね^_^;
- 2011/07/06(水) 17:57:19 |
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- みょん #-
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