廃墟を旅する 

産業遺産や戦争遺跡、時を超えた郷愁への旅路へ・・・

【産業遺産】時山第一発電所

山の中には産業遺産が眠ってる

時山第一発電所

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岐阜県南部の山の中にそれはある。以前【白石鉱山 桑名工場】を紹介したが、今回はその白石工業に関連した廃墟である。
この廃墟は水力発電所の跡であり、第一発電所とあるように、第二も存在する。ただ、今回は時間の都合上そちらには行くことができなかった。それではさっそく見て行こう。
まず最初に出迎えてくれるのは二つの石碑。白石工業株式会社と書かれている。


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側面に刻まれた文字には「皇紀二千六百年記念碑」とある。この皇紀二千六百年を記念して建てられた石碑は、神社などにて見つけられることがある。皇紀とは、我が国の初代天皇である神武天皇が即位した年を紀元とした歴であり、紀元前660年あたりから数えられている。そして、皇紀二千六百年とは、西暦1940年のことである。この年はすでに前年からヨーロッパでは大戦が始まっており、ドイツ軍は五月にベルギー・オランダ・ルクセンブルグに対して侵攻(ファル・ヴァイス作戦)、その次のフランス攻略(ファル・ロート作戦)を行なっている。これは後に西方電撃戦として知られることになる。日本では、ドイツとイタリアとの間に日独伊三国同盟が成立し、いよいよ英米を敵に回す枢軸国に入ったことで連合国対枢軸国の構図が明確化した。さらに日米の対立が激化しており、何時かアメリカと戦争になるのではないか、という国民の不安があった。そんな中で皇紀二千六百年を祝うさまざまな祭りや催し物が世間の暗い現実を吹き飛ばすのに一役買ったのだ。
ちなみに、ゼロ戦として知られる三菱零式艦上戦闘機は、この年に正式採用されたので、零式となったのだ。


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ふいに緑の中に現れる橋


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橋からは静かな渓流がみられる。秋も近く紅葉が始まっている。


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反対側を見ると建物が見えた。


時山第一発電所_R
近づいてみる。すると古めかしい建物を発見した。どうやらこれが時山第一発電所の建屋らしい。


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さっそく内部に入ってみる。暗いのでフラッシュを焚いた。奥の青い丸いものに、太いパイプが連結している。これが発電用のタービンのようだ。


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下に見えるのが山から伸びるパイプ。壁には工具が置かれている。


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椅子や机など、当時の物が残っている。窓はブルーシートで覆われており、外の光がほとんど入ってこない。それで暗いのだ。


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発電のために必要な機器だろう。いい感じである。


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これもタービンだろうか。この全てをまとめて発電タービンとするのかもしれない。


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先ほどの丸い青いもの。重厚感が伺える。


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こちらもさきほどの発電機。


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碍子が沢山ついた機器。


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正面から見ると計器類が沢山ついている。どうやら制御盤のようだ。


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もう発電のために針を動かすことは無いが、その存在感は廃墟になっても少しも変わっていない。


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発電所の建屋を出て少し上に登ると、居住のための木造建築物が残っている。


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どうやら、当時の工員のための宿泊施設のようだ。ここは今では道路も整備され、アクセスも容易になったが、当時はそうでもなかったのかも知れない。宿泊施設があって当然だ。


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そばに落ちていた「注意」の看板。山火事には特に注意だ。


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内部はボロボロである。


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大きな碍子が散乱していた。これに似たものを地下壕内部で見たことがある。


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コンクリート製の電柱。真中からボキっと折れている。


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鉄製の太いパイプがあった。この中に山の上から水が流れてきて、先ほどのタービンを回し、発電するのだ。


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では、そろそろ帰ることにしよう。


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帰る道すがら、「白石」と書かれた石柱。この発電所が廃墟になった今も白石工業の物であることは変わりない。


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この発電所が人目に触れる機会はそう多くはないだろう。だが、この発電所が近代日本の工業を確かに支えたのだ。そんな歴史とともに、今は深い山に抱かれるように眠っている。


今日のどうぶつIMG_7775_R.jpg
山ヒル
細長い体である。口の部分が吸盤のようになっていて、どんな場所にも貼り付ける。
自分は普段ブーツをはいているのだが、こいつはお構いなしにブーツをいつの間にか登ってきて、脚に張り付き吸血していた。恐怖である。山に行く時はお気を付けを。

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山の奥にも廃墟あり
  1. 2011/11/15(火) 11:46:08|
  2. 産業遺産
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

ブルーシート!
ボクが行った時はそんなもの無かったです。
うーん、あんな場所なのに管理されているんですね。
  1. 2011/11/16(水) 23:34:36 |
  2. URL |
  3. HEBU #t50BOgd.
  4. [ 編集 ]

HEBUさん

そうなんですよ。しっかり管理されているみたいですね。
今回はホントにヒルに参りました^_^;
  1. 2011/11/17(木) 23:09:42 |
  2. URL |
  3. 東雲みょん #-
  4. [ 編集 ]

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