廃墟を旅する 

産業遺産や戦争遺跡、時を超えた郷愁への旅路へ・・・

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【廃病院】S診療所

失われゆく記憶へ

S診療所

S診療所_R
S診療所などと伏字にしているが、もはやこの廃墟の場所など検索すれば一発で出てくるようになった。当時としてはこの廃墟は謎の多い廃墟の一つであり、その場所となればかなりの苦労をしなければ知ることはできなかった。この廃墟を今でも伏字で紹介する理由としては、もはやこの廃墟の名称が「S診療所」で違和感がないほど浸透しているためだ。
このS診療所が使われなくなったのは戦中の事のようだ。つまり戦前からこの場所に存在していた歴史のある廃墟なのだ。そして立地としては、簡単に発見できるようなところではない。この廃墟を最初に発見した廃墟マニアに驚愕せざるお得ない。
このS診療所、行くたびに建物の傷みが激しくなっているようで、最近行ってみたところ、もはや10年以内に完全に崩落するのではないかと思えるほどになっていた。一つの記憶が今まさに失われようとしている。

では、紹介していこう。


IMG_7822_R.jpg
見てわかる通りに、かなり年季の入った建物である。窓枠を見てみると、戦前戦中辺りの物と判断できる。
このように一軒家のような見た目だが、入ってみると診療所だった、という廃墟は日本各地に存在する。


IMG_7824_R.jpg
この木造建築でよくぞ60数年も耐えたものだ。


IMG_7825_R.jpg
だがこの数年で見る間に崩壊の時が迫っている。


IMG_7830_R.jpg
さっそく入ってみる。受付の文字が見える。


IMG_7829_R.jpg
当時はこの椅子に座って患者は自分の診療の順番を待ったのだろうか。


IMG_7832_R.jpg
このような古い診療所の廃墟にはなぜか残留物が多い。なので、当時の時間をそのまま今に伝えるタイムカプセルなのだ。


IMG_7833_R.jpg
小さい廃墟と思ってもたくさんの魅力を持っているものである。


IMG_7872_R.jpg
医療器具のようなものが置いてある。


IMG_7873_R.jpg
忘れられた人形がこちらを見ていた。


IMG_7871_R.jpg
この廃墟のメインと言っていい場所がここだ。この場所には当時の薬が薬ビンごと残っている。


IMG_7836_R.jpg
先ほどの受付の裏に当たる部分だ。


IMG_7838_R.jpg
感動的なほど物が残っている。


IMG_7840_R.jpg
当時はこの小さな診療所が、地域住民の医療をまかなっていたのだろう。今は壊れかけのこの診療所が命を守っていたのだ。


IMG_7841_R.jpg
手紙や提灯など、生活用品も残っていた。


IMG_7843_R.jpg
どんな小さな物にも記憶と歴史がある。今は必要とされていなくても、必要とされていた時は存在した。歴史的建造物を保存していかなければいけないのは、そんな記憶がいつしか無くなってしまわないようにだ。


IMG_7835_R.jpg
だがそんなこととはお構いなしに、放置され風化が進んだ廃墟は、やがて最後の時を迎える。その廃墟が持つ時間も記憶も歴史も意味も、消えてなくなってしまう。


IMG_7844_R.jpg
先ほどは診療を行なう部屋だったが、こちらは居住区のようだ。ご覧の有様で、天井が抜けている。


IMG_7846_R.jpg
分かりづらいが、階段を登って二階に来た。階段は今にも抜けそうだ。


IMG_7847_R.jpg
二階は完全に居住区になっている。


IMG_7852_R.jpg
日のあたる暖かい窓際で椅子が日向ぼっこをしている。


IMG_7851_R.jpg
奥の部屋を見てみる。


IMG_7853_R.jpg
布団がひきっぱなしになって、物が散乱している。


IMG_7855_R.jpg
この景色をみて愕然とする。以前に来た時はここまで崩落はしていなかった。確実にこの廃墟が死に向かっている証拠であった。


IMG_7856_R.jpg
床には様々な雑誌や本がある。


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本や雑誌、新聞といった物はその時代の記憶を今に伝えてくれる大事な物だ。現代では読み取ることのできない時代の雰囲気も、このような記憶媒体で切ることができる。


IMG_7859_R.jpg
このような物まで一緒に無くなってしまうと思うと残念でならない。


IMG_7860_R.jpg
だがそれも自然の成り行き。何かが生まれてやがて消えることは、誰にも止めることが出来ない完全無欠の事象なのだ。


IMG_7863_R.jpg
悲しむべきことでも残念がることでもないのかも知れない。それが自然なのだから。


IMG_7866_R.jpg
ではそろそろ次の場所に向かうとする。


IMG_7868_R.jpg
廃墟が消えてなくなることを思うとき、いつも誰かが亡くなったかのような気持ちになる。
人はいつか死んでいなくなる。そのあとのことは死んでみないと分からない。天国や地獄に行くという考え方もある。だが、そのような考えすらも及ばないような遠い遠い未来には、地球はおろか宇宙すらも無くなってしまう時が必ず来るだろう。その時に我々がいた記憶や歴史はどうなるのだろうか。暗い闇の中に消えて、完全に無くなってしまうのだろうか。もしそうなら、それが本当の死だ。人だけではなく、万物全ての物は誰の記憶からも無くなってしまった時が本当の死なのだ。誰かがその物のことを認識しているうちは、その物はまだ生きている。だが、この診療所はどうか。完全に崩落し無くなってしまったあと、はたして誰かが覚えていてくれるだろうか。自分たちの世代はまだいい。だが次の世代、また次の世代では完全に忘れられた存在になるだろう。そうやって誰の記憶からも忘れられた時に、廃墟は完全に死ぬ。人もそうだ。だからせめて自分は忘れないように努力しよう。そう思うのである。
悠久の時の中でいつまでも生きられれば、良いのだが。

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永遠をさまよう記憶

  1. 2012/02/04(土) 05:37:14|
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  4. | コメント:2
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感動

これ読んで思わず涙が溢れてきました。
  1. 2014/03/20(木) 01:56:25 |
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  3. すとーむ #-
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  1. 2015/04/12(日) 22:41:00 |
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