暑中お見舞い申し上げます真白き山の幻想

冬という季節はどこもかしこも色を無くし、生気を無くす季節である。夏はその正反対で、どこもかしこも色が濃くなる季節だ。こと雪山に関しては、ただ静寂だけが支配し、来るものを拒む世界と化す。
今回の廃墟は静寂に包まれた雪山で見た、幻想だったのかも知れない。
それではご覧いただこう。

一面の雪と霧に覆われた白い世界の中からその廃墟は浮かび上がった。

知る人ぞ知るこの廃墟は、かつて温泉旅館だったらしい。なぜ廃墟になったかはわからい。

そばには透き通った清水が小さな川を作っていた。

さっそく中に入ってみよう。錆びついた螺旋階段を上って行く。

廃墟内部に色は無い。ただただ静寂だけがそこにある。

廊下を進む。

ある部屋。外の光が淡く内部を照らす。

後で紹介するが、この廃墟激しい土砂崩れに会っているようだ。このように土砂が押し寄せている場所が散見される。

先ほどの入り口まで戻ってきた。

階段があった。さっそく登ってみる。

上の階の廊下。寒々とした空気に包まれている。

比較的残留物がある部屋。何故かは知らないが砂が床にある。

独特の空気を醸し出す椅子。廃墟美とはこのような小物一つ一つから醸成されるものである。

非日常。この言葉が一番しっくりと来る光景だった。

厨房。荒れている。

ここにも砂。

中央階段のある場所。砂と言うより土砂で埋まっている。これが先ほど言った土砂崩れの跡だ。

階段の先にあった廊下。土砂でかなり埋まっている。

ドアも半分以上埋まっている。幻想的な光景だ。

先ほどの階段を登って上に行く。

この階段も螺旋条になっている。なんともいい感じの階段だ。

白黒の世界。

上の階に来た。

この階も窓も無く、痛みが激しい。

清潔感すら漂う廊下。病院の廊下のようだ。

だがよく見ると残骸が散乱している。

この廃墟の見どころの一つについた。

浴場だ。

浴場には中からは行けず、いったん外に出る。

円形の風呂。当時は温かいお湯で満たされていた湯船に今は冷気が満たされている。

浴場から出て別の階段で下の階へ。

と思ったがダメだ。土砂で完全に埋まっている。
仕方が無いので上からもう一度螺旋階段で外に出ることにする。

この廃墟にもあった「食器の墓場」

白と白の世界。

では、そろそろ本当に外に出よう。

外に出た。やはり一面の白い世界。

廃墟は様々な季節で見せる顔が全く違う。この廃墟も夏に来て見れば強い日差しと緑の中で輝いていたことだろう。だが今は白い世界で沈黙している。

それはまるで廃墟が自然とともに生きているかのようだ。
今度は真夏に会いに来よう。そう思うのであった。
おまけ
あゝ風の神よ神湖の地に御神渡りスペシャル平成24年度、何年かぶりに長野県諏訪湖に『御神渡り』が現れたという情報があり、いてもたってもいられなくなったので行ってみた。御神渡りとは、諏訪湖が冬に全面凍結した際、氷が気温の寒暖差によって膨張と収縮をすることによって直線状に氷が割れる現象のことである。
この御神渡り、こう言われる背景にはある言い伝えがあるからなのだ。この諏訪湖と言えば近くにある諏訪大社と切っても切り離せないものなのである。諏訪大社は下社と上社に分かれており、上社におわす男神が、下社におわす女神に会いに諏訪湖を渡ってくる。というものだ。そして、その跡が御神渡りと言うわけだ。

一面の白い原。凍結した諏訪湖。

御神渡り?らしきものあり。溶けていた。
でも、ありがたや~

雪に覆われた神湖の地。この次は諏訪大社に行ってみた。

諏訪大社
この神社は全国の諏訪神社の総本山であり、日本で最も古い神社の一つとされている。この社は諏訪大社下社秋宮。

雪の境内

神社大好きな自分は、中でも諏訪大社が好きで、一年に数回はこの地に来ている。だが、このように雪を被った姿は初めて見た。感動である。

とりあえず拝殿でお祈りをする。

灯篭のオレンジの光、白い雪、鳥居。なんていい風景だろう。

ありがたいことに手水舎の水はお湯だった。

こちらは諏訪湖の反対側にある上社本宮。

左に見える太い柱がかの有名な「御柱」エクスパンデッド・オンバシラ!

さらにおまけ
以前紹介した
【中央本線廃線区間】の旧立場川橋梁を見てきた。

以前見たときとは違った趣がある。

下から見た光景。

雪の斜面を登る。このさい滑って死にかける

橋梁の上。白い道が出来ていた。

やはり高い。落ちたら死んじゃう!

雪で白くなった場所が印象的に浮かび上がっている。

上路ボルチモア・トラスの鉄橋。いつ来ても良いもんですね
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- 2012/08/19(日) 00:40:26|
- 宿泊系廃墟
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